【ニコリ】「パズル通信ニコリ180号」「おいでよ!やさしい数独」に掲載されました

数独でお馴染みのパズル制作会社「ニコリ」。このニコリからは3ヶ月に一度・・・という件は以前もやった筈なので、省略することにします。

そのニコリから今日9月10日、2種類のパズル本が発売されました。
1冊は上述の、3ヶ月に一度発行される季刊「パズル通信ニコリ」の180号(2022年秋号)
数独クロスワードといった定番のパズルをはじめ、ニコリ発祥のバラエティ豊かなパズルがてんこ盛りとなっています。
毎号1つのテーマに沿って出題される「特集パズル」の今回のテーマは「三角形」。三角を主軸に据えたパズルが、いくつも出題されています。
3ヶ月の間に発生する暇をつぶすには、充分すぎる内容となっています。

もう1冊は、ニコリの代名詞・数独の中で、ヤサシイ問題を集めた「おいでよ!やさしい数独」。
丁寧なチュートリアルとともに出題される、全75問の数独。全ての問題には、入り切った数字をチェックできるリストも付いており「優しい」配慮が行き届いています。
その問題も、複雑でない「易しい」考え方で解ける問題が多数と、数独の入門としてはうってつけの1冊です。

以上2冊、書店で見かけた際は、ぜひ手に取ってみてください。

 

本題 ―この封筒、なんか2冊入ってない!?―

というわけで、自作の問題を掲載していただけたため、掲載報告の記事を書きます。前回の記事(3ヶ月前)も掲載報告でしたが、ネタが無かったので仕方ないですね。

今回はなんと、冒頭で紹介した2冊の両方に、1問ずつ掲載していただきました!本当にありがとうございます!

 

まずは「おいでよ!やさしい数独」の方からです。39番の数独が、自分が作成した問題となっています。

難しい手筋を組み込む練習の中で息抜きと称して作成した問題です。

ニコリ向けに難しい数独を作る場合、欠かせないのが「予約」と「井桁理論」です。しかしこれらの手筋を効果的に組み込むには、表出配置が多少制限される・・・というのは、作問が上手くない故の思考かもしれません。

難しい手筋を組み込めるようになると、作問の幅が拡がるのは当然ですが、易しい手筋だけでも、工夫のしようがあります。それが表出配置です。

易しい問題は、個性的な表出配置が使いやすいのではないか。そう考えて作った1問となっています。

10段階の難易度のうち、1~4の問題が収録されるこの本の中では、2の終盤に位置する問題。ステップアップに役立てていただければ、と思います。

 

続いて「パズル通信ニコリ180号」。こちらに掲載していただいたのは、地味にニコリが名称を商標登録している、推理パズル。それも特集パズルにある「3つの三角関係」です。

特集パズル向けにはふくめん算(掲載歴1回)を作ることが多いのですが、今回はうまく作れず、バラエティ系に舵を切って作成したのがこの問題です。三角形がテーマと言うことで、三角関係を題材にしました。

とあるパズル同好会(もちろん架空の)に存在する三角関係を解明する問題で、ヒントとなるのはメンバーの氏名。しかしその名簿をよく見ると、カナ表記された苗字と名前の文字列が、10人(つまり全部で20)に対して6種類しか無いではないですか!

偶然に偶然が重なり、三角関係以前にメンバーの呼び方で荒れそうなパズル同好会。しかしそこは架空のものなので、全く問題ありません。

 

この「たった6種類の文字列で、10人分の氏名を作成」というぶっ飛んだ設定は、季刊172号のマトリックス表付き推理パズル②(まいなすよん氏作)「2つのオフ会」から着想を得ました。

この問題はオフ会参加者の苗字と名前、ペンネームなどを当てるものなのですが、なんと問題1問に対してマトリックス表が2種類あるのです。

それでいて、共通のヒントで両方のマトリックス表を別個に埋めることができる、秀逸な問題となっています。

片方の問題で苗字だった文字列が、もう片方の問題では名前になっていたり、ペンネームになっていたり・・・この「苗字でも名前でも成立する文字列」をヒントに、10人分の氏名を作成しました。

 

パズルの内容からは外れますが、この問題を掲載していただけたことで、もう1つ収穫がありました。それは原稿を作成する際のパズル名です。

今までも何度か、特集パズル向けの問題を、バラエティ系に舵を切ったことはあるのですが、その時は「パズル名:題名」の形式でパズル名を記載していました。

しかしトゥイッター上でそのような話題を挙げたところ「題名は書かないなぁ」という意見を目にしました。つまり題名は、ニコリのスタッフが考えている、ということになります。

そうした背景から、今回はパズル名として「推理パズル」とだけ書き、補足として特集パズル向けであることを明記しました。

つまり「今後もバラエティ系に舵を切る時は、このような形式で送ればいい」ということが分かった回でもあるのです。

 

おわりに

というわけで以上、掲載報告でした。

最近は美術館以外のパズルの原稿を作れないというスランプにありますが、この掲載をバネに、また様々なパズルの作成に取り掛かれたらいいな、と思います。